従来のうつと新型うつ病の違いを徹底解剖!

男の人

現代の新しいうつ病

看護師

社会環境が生んだ心の病

これまではうつ病と言えば、真面目だったり責任感が強かったりという、いわゆる社会的に望ましい人々が発症する病気でした。気分の落ち込みや無気力といった症状が、たとえ自分の好きなことをしようとしても、嫌いなことをするときと同様に起こります。人間関係や環境変化によるストレスが原因で発症するもので、誰にでも発症する可能性のある心の病です。現代では患者数は300万人以上だと推定されています。21世紀に入り、新しいタイプのうつ病患者が増加しています。近年顕在化してきたこのうつ病を「新型うつ病」と総称します。新型うつ病の特徴の中で、これまでのうつ病の特徴との大きな違いの一つに、好きなことはできるが、嫌いなことができなくなる点です。周囲からみるとただのわがままや気まぐれに見えてしまうかもしれませんが、本人は意図的に「嫌いなことをしない」のではありません。気分のせいで「できない」のです。また、自分を責めることよりも他に対する不満が爆発する傾向にあります。そのため、自分が悪くないことを主張したり、自分以外の原因を訴えたりするといった症状がみられます。また症状以外での特徴として、夕方から夜にかけて気分が落ち込んだり、気分の変化が大きく感情をコントロールできない状態になったりしやすいことが挙げられます。このような新型うつ病が蔓延したのは、現代の社会が原因だと言われます。社会人は過労によって心身ともに疲れ果て、その上職場での人間関係にも頭を抱えることが多い時代です。学生も厳しい受験戦争の波にのまれ、いじめもはびこっています。落ち着く時間もなく、情緒的なコミュニケーション能力を十分に養うことが難しいこのような環境で、若者が新型うつ病にかかりやすくなっているのです。しかし、新型うつ病の症状と原因を知っておけば予防方法も自ずと見えてきます。新型うつ病の発症原因の一つは、前述したように現代社会での多忙さです。また、夕方から夜にかけて気分が落ち込んだり感情制御ができなくなったりすることが特徴でした。そのため、夜に十分な休養をとれるよう配慮することが重要です。昼夜逆転の生活にならないよう、昼間のうちに身体を動かしておくことが一つの予防策です。運動をすると集中力が高まり、些細なことでくよくよと悩むことも少なくなります。新型うつ病を予防する上で最も大切なことは、自分自身の行動をよく観察することです。「なぜ自分はこう考えるのか」「なぜ自分はこのような行動するのか」といったことを考え、よりよい方向へ自分を向かわせることが最大の予防になります。他者や環境に非を見出す傾向のある新型うつ病では、自分の中に非がないかを考えることで、冷静になる機会を得ることができるのです。心の病であるうつ病は、その時代の社会環境が症状を生み出します。環境を理解し心に与える影響を考えることで、適切な予防や対処ができるようになります。